■パリのマルシェNo.74 – 19区 Place des Fêtes (プラスデフェット)

 美しい眺め=Belle vue(ベルビュー)
 が由来となった「Belleville(ベルヴィル)」。シャンソン歌手エデットピアフ(Édith Piaf)の出身地としても有名だが、このBellevilleの頂上にあるのがフェット広場(プラスデフェット/ Place des Fêtes)だ。

 モンマルトルに次いでパリで2番目に標高が高い場所で、ベルヴィル通り(Rue de Belleville)を北東へ進み、立派な教会を過ぎフェット通り(Rue des Fêtes)を登れば頂上のフェット広場に到着する。

 もともとこのあたりはパリに含まれておらず、18世紀にはパリの裕福層のリゾート地として、その後は採石場の労働者の街、パリの税金がかからずワインが安く飲める場所として人気だった。その後、1859年にパリに併合され現在に至っている。

マルシェ・プラスデフェットのシャルキュトリーのお惣菜
シャルキュトリーのお惣菜

 さてマルシェの開かれるフェット広場に話を戻そう。
 Place des Fêtes = お祭り広場
 という意味なのだが、名前通りお祭りのために整備された広場なのだ。その昔、古い教会の前で行われていたお祭りをさらに広い場所で行うために1836年に作られたそうだ。

 現在は、この丘のの上にメトロ11号線のプラスデフェット駅があり、モンシニョールマイエ公園(Square Monseigneur Maillet)という大きな公園が広場の西側を占めている。この広場を囲むように医療施設、大型スーパー、コミュニティセンターなどが揃っているので、付近の住民はこのあたりで全ての用事を済ませることができる。
 マルシェ中央のモンシニョールマイエ公園も1863年に作られた歴史あるもので、3,950m²ととても広い。マルシェ・プラスデフェットはこの広い公園の周囲をぐるりと一周、店が対面に並ぶので店の数がとても多い。野菜・果物の店はもちろん、牛肉、豚肉、鶏肉それぞれの店や、フロマジュリー(チーズ屋)、惣菜屋(traiteur)、パン屋、花屋、蜂蜜、ワイン、衣服や雑貨など、店の種類も豊富。火曜日・金曜日・日曜日と週に3回開かれるマルシェは、地元の人で常に賑わっている。扱われている商品も新鮮なものが多い。値段は驚くほど安くはないが、高くもなく、品物の質を考えるととても手頃なよいマルシェ。


 マルシェデフェットのあるパリ19区は移民の多い地区、治安や環境がよくないというイメージだったのだが、最近は住みやすく新しい街という評価に変わりつつある。移民が多く混沌とした感じと、新しく住みやすいちょっとおしゃれな街。ここはバランスよくどちらの魅力も詰まったようなマルシェだ。

Église Saint-Jean-Baptiste de Belleville教会
マルシェ近くのサン-ジャン-パプティストドゥベルヴィル教会

 またこのあたりは、観光地として認識されている場所ではないが、マルシェでお惣菜やパン、ちょこっとワインなんかも買ったりして、周辺をゆっくり散歩すると1日楽しくすごせる場所かもしれない。
 マルシェの中央の公園も歴史のある公園だし、北西へ500m(徒歩5〜6分)ほどのところにビュット=ショーモン公園(Parc des Buttes-Chaumont)がある。この公園はパリの緑地としては最大の面積。
 逆にマルシェから南へ下、ベルヴィル通り(Rue de Belleville)に戻ると、パリで最初に建設されたネオゴシック建築の教会サン-ジャン-パプティストドゥベルヴィル(Église Saint-Jean-Baptiste de Belleville)がある。特徴的な建造物自体も、巨匠と呼ばれたガラス職人ルイ-チャールズ-スタインハイルとオーギュスト-ド-マルテルが作った美しいステンドグラス、大きなパイプオルガンと見どころがいっぱいだ。
 そのまま約1kmほどベルヴィル通りを歩くとベルヴィル 公園(Parc de Belleville)にたどり着くのだが、この間に人気のパン屋Boulangerie Au 140やUrban Bakeryもある。

 パリのメジャーな観光スポットはもう見たし、ゆっくり気持ちのいい1日を過ごしたいなぁという時にこのあたりをみて回るのはどうだろうか。もちろんスニーカーを履いて。


A PARIS
A PARIS

ビュット=ショーモン公園(Parc des Buttes-Chaumont)とは・・・

ビュットショーモン公園の吊り橋

 労働者階級地区に緑地を作りたいと考えたナポレオン3世の要請で1864年に全て人工的に作られた公園。ゴミ捨て場となっていた巨大な石膏採石場の跡に作られました。
 パリの緑地としては最大の面積であるこの公園には、3つの川や滝、洞窟などがある。そして公園の中心にある湖にはベルヴェデール島(Île du Belvédère)が浮かんでいる。この島へはエッフェル塔を設計したアレクサンドル・ギュスターヴ・エッフェル(Alexandre Gustave Eiffel)による金属製の大きな吊り橋で渡ることができる。島に渡り、細い小道を登った頂上にはシビル神殿(temple de la Sibylle)が建っている。これはイタリアのチボリにあるヴェスタ神殿を模したものだ(le temple de Vesta à Tivoli, en Italie)。ちょっとしたハイキングで到着したこの神殿からの眺めは本当に気持ちがいい。

ビュットショーモン公園の頂上
湖の湖面から約30m高さにあるシビル神殿(temple de la Sibylle)

 またこの公園の南西側に残っているラ・ビュット・ベルジェイル庭園(la Butte Bergeyre)にはぶどう園があり、この辺りがかつてはぶどう生産者が住っていた地域という名残が垣間見える。ソーヴィニヨン、シャルドネ、シャスラなど複数の品種のぶどうが植えられ、今も年間約100リットルのワインを生産している。このワインは毎年9月のお祭りで飲むことができるそうだ。

19区 Marché Fêtes (マルシェ プラスデフェット)
information

 

[Adresse / 場所 ]
Place des Fêtes
75019 Paris , FRANCE
(Sur le terre-plein Métro 7bis; Métro 11 – Place des Fêtes)

[Métro / 最寄駅 ]
Place des Fêtes, ligne 7bis,11

●Googleマップ:
https://goo.gl/maps/f2uH6yGBt6TfsP8H7

●パリ市マルシェ情報:
https://www.paris.fr/equipements/marche-place-des-fetes-5527

●開催日時:
火曜日 07:00 – 14:30
金曜日 07:00 – 13:30
日曜日 07:00 – 14:30

金曜日のプラスデフェットマルシェはこんな感じ

2020年7月31日金曜日のマルシェ・プラスデフェット

日曜日のプラスデフェットマルシェはこんな感じ

2021年2月14日日曜日のマルシェ・プラスデフェット
プラスデフェット・マルシェ
最新情報をチェックしよう!