パリでPCR検査を受けてみた

 2020年の最初のコンフィヌモン(Confinement/外出制限)が、ちょうど去年の今頃始まったことを思い出していた。
 昨年2020年のパリは、2回のコンフィヌモンがあった。1回目は3月17日からで、2週間・・、2週間・・と、延長を繰り返し5月10日までの外出制限になり、2回目は10月30日〜12月15日だった。どちらも1ヶ月以上の間、外出できる時間や距離が制限され、外出時には外出許可証(外出の理由を明示するものを自分でHPからDLする)を携帯する必要があった。

 一体どんな風に終わりがくるんだろうかとその時にも思ったけれども、一年経ってもまだこういう状態だとも考えていなかったように思う。

 1年経って変わったことと言えば、皆がマスクをするようになったこと、ワクチンの接種が始まったこと、PCR検査が簡単に受けられるようになったこと、などが挙げられる。
 日本人からすれば当たり前の話なのだけれども、手は洗いましょうとか、ティッシュは一回使ったら捨てましょう(こちらはやや厚手のティッシュを一度では捨てず何度も使う)とか、ちょっとした生活習慣についての啓蒙活動なんかもあったりして、今まであまり売られていなかったポケットティッシュやBOXティッシュを買う人の姿をよく見かけるようになった。

 長かったのか短かったのか、時間の感覚も変わったような1年を振り返って無事に過ごせてよかったと思う反面、まだ終わってないこの戦いに元気に立ち向かうために何か記念になるようなことをしようかと思い立った。

 現在、フランスではカルトビタル(Carte Vitale・健康保険証)を持っていれば、無料でPCR検査が受けられる。
 フランスの医療は分業制なので、医師のところへは「診断」をしてもらいに行く。その診断の元になる検査をするのがラボ(Laboratoire d’Analyses Médicales)と言われる場所で、ここは血液検査など医師の処方箋に従った検査だけをする場所だ。
 2020年8月31日からフランスでPCR検査が無料になり、検査ができる場所もラボ以外に薬局や交通の要所などに作られた仮設検査場など、数百メートルも歩けば複数の検査場所を見つけることができるようになった。

コロナテストのテント
町中至る所でみかけるPCR検査のテント。

 さて、せっかくPCR検査を受けるのだから、近所の薬局というのももったいない気がして、オペラ座まで行くことにした。オペラ座の前の広場にできた仮設テントでも検査が受けられるのだ。

 さすがにオペラ座だからなのか、数人の検査待ちの列があった。列の後ろに並んで、ほんの数分で順番が回ってきた。二人ずつテントの中に入る。医療用のコートや帽子などをかぶり完全防備のテレビでみる「検査官」の格好のところもあるが、ここの検査官は普通にズボンにジャンパーを着ているだけだった。最初に、カルトビタルを渡す。検査官がまずそのカードを消毒し、名簿のようなものに名前を書き込んでいる。その後、生年月日・電話番号・郵便番号を口頭で聞かれたら、さっそく検査。マスクを少しずらして上を向くように指示があり、検査キットの中から取り出した細長い綿棒を鼻の奥まで差し込んでくるくると回している。そのまま同じ綿棒で反対側の鼻もぬぐう。鼻の付け根の奥あたりまで、結構奥深くまで入るんだなぁと綿棒をみながら思っているうちに検査は終わる。痛いというほどのことはなくて、プールで鼻に水が入った時のツーンというような感覚に近い。

 鼻を拭った綿棒は、ジェルが入ったプラスチックの試験管のようなものに入れて振る。その後そのジェルを試験薬に垂らしたら、あとは結果がでるのを待つだけ。
 その場で検査結果もわかるし、いつでも、どこでも、予約なしで、無料で検査を受けられるのはとても安心だ。検査

 詳しい検査の様子は以下のYouTube動画でご覧ください。

YouTubeにUPしました
YouTubeにUPしました

フランスの現在のコロナウィルス感染者状況、PCR検査の様子。

詳しくはYouTubeでご覧ください。

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