芸術の都パリも、コロナのため美術館は営業停止中、多くのギャラリーも外出制限期間中の営業ができない。
もちろんかの有名なルーブル美術館(Musée du Louvre)も現在は閉館している。 2018年にルーブル美術館の来館者が約1020万人と過去最高を記録、入場者数でも世界一の美術館だと話題を集めたところだった。 直接アクセスできないのは残念なことだが、バーチャルで美術鑑賞ができるなど様々な試みも行われている。そしてこの閉館の時期にしかできない修復工事や改装を大々的に行っており、コロナ禍が開けた時には新しいルーブル美術館に生まれ変わっているそうだ。
ルーブル美術館と言えば中央のルーヴルピラミッド(Pyramide du Louvre)を思い浮かべる人が多いと思う。コロナ禍以前は入場者の長い列が常にでき、観光客がひっきりなしに訪れる場所だった。 西側も、カルーゼル凱旋門(
Arc de Triomphe du Carrousel)やチュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)へとつながっていて、人が多い。逆に案外見落とされがちなのが、ルーブルの東の側面。ペローコロネード(Colonnade de Perrault/ ルーブルコロネードLouvre Colonnade)という巨大な柱が並ぶ歴史的建造物がある。
美術館が閉まっている今でも、芸術を愛でたいパリジャンのために、現在このペローコロネードの向いにあるサン ジェルマン ロクセロワ教会(Saint-Germain-l’Auxerrois)の前の小さな広場(place du Louvre)で、野外アート展が開催されている。
ルーブル美術館を向いて顔のオブジェが5つ並んでいる。パリの有名なストリートアーティスト・オペール(Alexandre Hopare Monteiro)による作品。テーマは「Un souffle de vie〜dissociation du visage d’avec son enveloppe〜」。命の息吹〜外殻からの開放という意味だろうか。
ルーブル美術館に比べればもちろんはるかに少ない作品数なのだが、この時期に青空の下で見る芸術は、心の殻をぺりぺりと向いてくれるような、初々しい息吹を私に与えてくれた。
場所: Eglise Saint-Germain l’Auxerrois
2 Place du Louvre 75001 , Paris 1
アクセス: Métro Louvre – Rivoli – Pont Neuf
期間: 2021年3月23日〜5月30日
アーティスト公式サイト: www.hopare.com
コロナ禍にも負けず、この展覧会を企画した全ての方、アーティストに心からの敬意を表します。
パリにお住まいの方はぜひ実際にご覧ください。
遠方の方はYouTubeでその息吹を感じてください。