古いもの。壊れたもの。 日本なら確実にゴミ箱行きのものでも、大切に修理したり、違う用途で使ったり。
パリの街並みが、昔から変わらない美しい佇まいのまま残っている理由の一つに、古いものを大切にするという考え方があると思う。
古いものや壊れたもの イコール 使えないゴミ ではなく、たとえ古くても壊れていても、「自分の感覚がまだ使える」と思えば、それは立派に活きているものとして扱うのがフランス人。ブロカント(Brocante・古道具市)を歩くといつもそのボーダーラインの違いに驚く。
この日は、バスチーユ広場(Place de la Bastille)からレピュビュリック広場(Place de la République)へ続くボーマルシェ大通り(Le boulevard Beaumarchais)で古道具市が行われていた。マレ地区の東端の750mの通りの半分ほどに古物商の店がぎっしり並んでいた。

絵画、食器、椅子やテーブルなど大きな家具、インテリアオブジェ、アンティークカー、銀食器、古本、レコード、古着、アクセサリー、アフリカンオブジェ、など。多種多様なものが並ぶ。
蚤の市はとても人気があって、ブロカント情報の専用サイトもあり、どこでブロカントが行われているのか一覧できたりするので、遠方から訪れて掘り出し物を探してじっくり見ている人も多い。この日は日曜日でパリ最大の食べ物マルシェもバスチーユ広場で開かれていて、賑わっていた。
この日一番人が多く集まっていたのは、日本の古道具が置かれたお店。

掛け軸やお椀、草履、レコードなど、面白い物が無造作に山積みされていた。

綺麗に商品を陳列しているところもあれば、もう何がなんだかわからない物置状態の店もある。
手に取るのも躊躇うような微妙なものもあるのだけれども、興味深そうにしげしげと眺めては、値段交渉をしたりしている。

ブロカントに食べ物屋が並んでいるのはあまり見かけないが、今回はキッシュやソーセージなどを売る店も出店し、ビールやワインを飲みながら、古道具談義をしているおじさんたち、小腹を満たしてもうちょっとじっくり見て帰ろうとするパリジャンなど、食べ物があるだけでいつもより楽しそうな雰囲気に見えたのは私だけだろうか。


ボーマルシェ大通りのブロカントの様子は以下でご覧いただけます